△▽△ 五反田 朱鷺のご紹介 △▽△

− 2006年9月に発刊されました「袢纏ものがたり」での紹介文です −

五反田 朱鷺

 日本国の象徴である「朱鷺」の神秘的な雄々しさ。また、設立当時の人数が八名という少数精鋭であったことと、希少な鳥であることを重ねて名づけられたのが「五反田 朱鷺」だ。
 会長の長谷川秀典氏(現在は近藤元氏)を頭に、八十三名の会員が品川区及び大田区(城南地区)で活動している。

 袢纏は、紺袢纏と柄袢纏を所有。代紋は会の象徴、顔でもある。袢纏を着ることと代紋を背負うことにより品格を保てるだけでなく、気が引き締まる思いだ。袢纏と共に五反田氷川神社の氏子として例大祭を盛り上げている。当会は地元町内会とも協力連動し、安全かつ健全な活動を目指す。
 また、祭りを通じて地域とも文化的交流、親睦を深め会員の人間的向上を図ってもいる。
 篠笛と太鼓で奏でる「品川拍子」と合わせて威勢よく動く神輿は、城南地区独特の文化である。当会は健全な青少年育成をモットーに、近年失われつつある近所付き合い、人間味あふれるコミュニケーションを意識して活動している。以前は町内に一人や二人、他人の子供も叱られるような「名物オヤジ」がいたもの。しかし、近年自分の子供すら叱れない親が増えているという。「朱鷺」には六十歳を超えた大先輩から中学生まで、幅広い年代の会員が在籍。世代を超えて、遠慮なくモノを言い、正しき姿勢を貫く人間育成の場にもなっているのだ。
 また各年代、異業種の集まりなので人生相談をするもの、仕事のつながりが広がるものなど、コミュニケーションの場としても有効に使っている。f

 二〇〇五年には発足三十周年を記念し、およそ二百名規模のパーティーを盛大に行った。氷川神宮司をはじめ、城南地区の神社宮司に出席を賜り、政界からも声援を頂いたことに、会の歩みの重みを感じる。
 神輿は行徳・後藤直光氏により昭和五年に製作されたもので、台輪は三尺八寸。巴紋の周りに龍を刻み込んだ延軒屋根、四方桟唐戸、勾蘭造りの宮神輿。外へ張り出すように大きく巻き上がった蕨手が神輿を盛大に優雅に見せている。

 先輩たちから伝わってきた文化・伝統、会に対する誇りを胸にさらなる活動の充実を図るべく、気持ちを新たにしている。時代の流行り廃りに左右されず「大切なもの」を守り、次世代に伝えてゆく媚びない姿勢&攻めの姿勢で活動を続けてゆきたい。

「袢纏ものがたり」

大江戸睦監修
出版社: 優しい食卓 (2006/09)
ISBN-10: 4901359304
ISBN-13: 978-4901359306
発売日: 2006/09


(2017.6.4 品川神社例大祭にて)

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